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蛍光ペンの交差点[別館]

"どの点に関心をもつべきか ―をわれわれが学びとるのは,もっぱら仮説からだけである"

知識の獲得について

 

私は学生である。その字面が示すとおり知識の獲得を第一義とする存在である。この記事では、知識の獲得がどう促進されるのか考えてみたい。

反復する

大量の知識を取り込もうとすると、どれも1度目を通しただけで次に進んでしまいがちだが、反復は理解の基本である。
何度も繰り返すうちに知識は特定の形で固まり、以後外に出すときはその形を取るようになる。リズムを得ることは大変に重要なことである。たとえば動的計画法の解法に気付けるようになったりする。

 

徒弟に入る

中世では徒弟制は技術を外部に漏らさないための制度だっただろう。今それは論文コミュニティで起きている。教授と親しくなると、およそ論文には書いていない内容についてアネクドートが手に入る。

 

時間制限をかける

生産性は〆切日数の逆数だと言われるように、時間が制限されると人間のパフォーマンスは如実に上がる。この日に友人と宿題について議論するなどイベントを設定すると、その日までに完了させるインセンティブが発生する。

 

歩きながら自問してみる

「さっき動的計画法について習ったけど、動的計画法ってなんだろう」と考えてみることで、自分が理解していないところが浮き彫りになる。歩きながらだとあまり疲れずにできる(気がする)。

 

わざと間違える

「間違えるとAが起きる」は立派な知識である。いまの自分がそのような愚鈍な失敗を犯さずとも、2徹してまともな判断力がない自分がしないとは限らない。たとえばエラーメッセージが分かりにくい C++ のテンプレート やネットワークプログラミングなどでは、一度成功したあとにわざと間違った形にした際に、何が起きるのかを予め把握しておくことが将来への投資になる。

 

分からないふりをする

あなたがもう知っている事柄について、知人や教授が説明を始めたとする。遮るのも手だが、ここは一つ注意深く耳を傾けてみよう。短い会話で説明しようとする場合、要点だけを説明せざるを得ない。すると、自分が気づいていなかった省略法や一般化に気づける可能性がある。たとえばギブスサンプラーを説明してからM-H法を説明するより、M-H法を説明してから「ギブスサンプラーはその特殊版」と言うだけで済む可能性がある。

より初等の教材にあたる

大学院の講義が難解すぎて、困ってないだろうか。そういうときは同分野の学部生向け、あるいは一般人向けの解説書にあたると理解が進む可能性がある。象を遠距離から見たことがない状態で2センチだけ離れて調べるのは危険すぎる。自分がどの程度の粒度ならば理解できるのか。

理解している人に尋ねる

身近に居れば、これ以上の助けはない。

コミュニティに入る

大学院は、授業ごとに3人ほどの勉強グループを作れば、生産性の下限がかなり絞られる。他のメンバーに遅れないように集中するメリットもあるし、特に海外ではそれぞれバックグラウンドが違うので、3人ともが分かっていない内容は非常に少なくなる。

 

非同質なチームを作る

 違うバックグラウンドやスキルセット、関心の持ち主と協働作業をすると、たいてい一人でやるよりもよい結果が手に入る。

 

母語と英語のQ&Aサイトを参照する

例えばプログラミングでは、英語のStackOverflowを見ると大抵それで片がつく。英語コミュニティの層の厚さ、また彼らは求職のために技術的に正しい回答を投稿しているという強い動機も見逃してはならない。

ランダムウォークする

いつもしない教科書の読み方をしてみる。たとえばアブストとイントロを読まずに結果の表だけ見てみる。授業前に5分だけ予習してみる。普段勉強の話はしない友人にさっきの授業どうだった?と聞いてみる。StackOverflowに投稿してみる。Wikipediaで自分が読めない言語で説明を読んでみる。確率的刺激は、意外な発見をもたらす。

無視する

経験が足りないとそもそも理解が不可能な現象というのが多く存在する。ならば単に無視する。

とりあえず一通り目を通す
最後のほうに分かりやすいまとめがあることも。

別の言語で試してみる
数学にはこれがとても聞く。

いろいろなメディアで書く
鉛筆で書く、タイプする、ブラックボードに講義をするみたいに書き付けてみる

グラフとしてプロットしてみる

例を編み出す

複雑なアルゴリズムになってくると、例を一つ考えつくだけで手間がかかり、なおかつ学習効果も高い。そのアルゴリズムの目的がより明確になるからだ。たとえばAC3アルゴリズムの出力がunsolvableなCSPになるような入力を考えてみよう。AC3が極めて限定的なことを目的にしていると納得できるはずだ。

声に出す

不思議なもので、声というメディアに乗せるとそれだけで気付けることが増えたりする。あるいは、誰かが声に出して説明しているのを聞くだけでもいい。