蛍光ペンの交差点

"科学と技術に支えられ、夢を語る人になる"

2016-01-01から1年間の記事一覧

学習過程においては、解決策に飛びつかない

R言語の標準であるsubset()やaggregate()によるデータの前処理は、多少込み入ってくると非常に読みにくくなる。その解決策としてパイプ演算子 %>% を用いた magrittr が存在しているが、僕は学習者にいきなりパイプ演算子 %>% を紹介するのは最善策ではない…

プログラマをプログラムできないという問題

100人ぐらいの受講者が居る計算機の授業を受けながら、ふと以下のような問題設定が考えられることに気が付いた。 クラウド構築を学ぶ授業Aはとても教育効果が高い。そのうえ、一学期に200人もの学生が技術を身につけることができて効率的だ。履修後に…

完全な意志決定など待ってられるか、あるいは意志への満足

自分の人生をふと振り返ってみると、数年間隔で「その後の人生を大きく変えるような決断」をいくつか重ねてきたことに気付く。 同時に驚かされるのは、そのどれに関しても、とても誇れるような決断の仕方ではなかったということだ。ある決断は見栄や私利に、…

言語は私たちのツールか、それとも私たちもツールなのか

言語は目的を達成するためのツールである。では私たち人間はツールではないのだろうか? 日本では高等教育まで夢を見て、高等教育から社会人前期に生計を確保しあるいは行動の原動力を確保し、一部は中盤から自己実現をはかる幸運に恵まれ、少数はそれを超え…

ズレに対する2種の賢さ

知性と呼ばれるものがある。賢さ、地頭、センスなどとも呼ばれる。 試験で測られる賢さは、最低点を超えていれば賢い。あるいは順位が高いほど賢い。 他人が判断する類の賢さは、期待を超えていれば賢い。知らなければ大抵賢いとなる。 ダメージに気づかない…

歩き出す前に見えた地平線がおぼろげな様を、どうかずっと覚えておこう

明後日から違う街に住む。 生きていることの楽しさは、まったく新しい世界に飛び込んで、望んでいたものを狙い通りに得ることや、あるいは関わりたくなかった面倒事に巻き込まれることや、予想外の喜びに遭遇して立ち尽くすなかにあると思う。上京したときや…

思考の歯磨き

内田樹は批判されることも多いが、彼の『日本辺境論』を読んだ時にとても腑に落ちて、そのまま今でも覚えている一つの主張がある。それは、本書の主張はこれまで別のところでも散々言われてきたことで何の目新しさもないが、歯磨きのように定期的に見直すこ…

命令で済むということ

仕事の遂行が命令で済むというのは面白い。プログラミングの話である。プログラムは事細かに指定された命令の並びであり、予期通りの結果を一度正しく生じさせたプログラムは疲れ知らずの有能な働き手となる。 同じ結果を再現といえど無論、実際は占有やら老…

やりたいことはありますか

人生でやりたいことが明確に決まっている、というと大なり小なり驚かれることが多い。僕の世代の人々は学生であれ社会人であれ自分のやりたいことを持っていない人が多いからだろう。 ただ残念ながら僕は子どものときから一つの夢を追いかけているようなビリ…

書くということ

僕にとって文章を書くことは、僕のなかでの重要な意味を持っている。高校のときからブログへの投稿数で数えれば1000以上の文章を書いてきた。 アウトプット(生成物)であることは間違いない。外に対して自分が感じた何かを表現したり、あるいは「こいつ…

プログラミング学習の論点が変わるとき

昔はいろんな言語に手を出していた。C++から始まって、Java、Ruby、Python、C、HTML、CSS、JavaScript、PHPなどのポピュラーなものから、LISP、Haskell、OCaml、R言語などの比較的マイナーなものまで。 しかし最近はめっきりC++とR言語以外は使わなくなった…

受験と学問と研究は本当に違うゲームなのか?(かきかけ)

―― 本日は、東大を卒業されている先生に東大新入生に向けてのアドバイスをお話しいただきたいです。 瀧本 まず受験と大学生活、就活は非連続であるという前提を知る必要があります。大学入試というのは採点しやすいように答えが一意に決まっていて、時間をか…

原理、分類、思考

原理に基いて思考するとはどういうことかを試してみたくなった。 「消費者は最安の商品を買う」という原理があったとする。まず第一に大事なのは、この原理に限らず多くの原理は集合名(集合setの名前)であって、中身がいくつ入っているかが大事だ、というこ…

正論とプロセス

まさにその職務に最適としか思えない人が、正論を展開する様子を見ていた。 正論を展開する。 正論を展開する。 正論を展開する。 …。 おかしい。終わらない。 言及されていることは、あとで別の情報源から確認したところ恐らくどれも真実で、解決すべき課題…

一読すべき企業分析がここにある:『進め!!ブラック企業探偵団』書評

進め!! 東大ブラック企業探偵団 作者: 大熊将八 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2016/02/24 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る この本は、就活本として異色である。 だが就活生に限らず、既に働いている社会人にとっても読む価…

あなたはどうあんぱんを買うか:問題解決のケーススタディ

「おーい、あんぱん買ってきてー」 広告代理店のAくんの場合:(生協の購買部に着いて)「うーん、この棚は取れてないか。仕方ない、別の店を探そう」 大手ネットベンチャーのBさんの場合:「まずメンバー全員のスケジュールをシェアして公平にアサインしよ…

アルゴリズムはどのように何をしたいのか:豊かさについて

アルゴリズムとは、機械にも実行可能なぐらい明確に表現された作業手順のことである。その手順さえ実行すれば、目的とする何かが達成される。 その目的は、「病院の待合室で待っている人のうち、次に診察室に呼ぶ人を決めること」だったり、「布団 クリーニ…

プログラムと恐怖

プログラミングを始めて約3年が経ち、少し考えることがあった。 学ぶことが本質的に困難なプログラミングとは、どのようなものだろう?あるいは、いつまでも怖いプログラミングは、どのようなものだろう? プログラミングを習うというと、以下のようなこと…

価値観について

人の話を聞いたときに、賛成したい気持ちと反対したい気持ちがほぼ同時に発生することが増えた。異なる価値観が同居していると言い換えてもいい。 たとえば、コンサルタントとして就職したい、と友人Aから聞いたとする。「いや、かつて戦略コンサルがイケイ…

2015年度紅白歌合戦の出場年齢層は14年前と比べて若返ったか?

昨日は久しぶりに紅白歌合戦を見ていたのだが、おや?と感じた。 なんだか子どものときに見ていた紅白に比べて、知っている歌手が多い気がする。 ♪ 僕の身体が昔より 大人になったからなのか と徳永英明風に無視してもよいものだが、何だか気になった。年末…